「何……?」


今にも震えそうな声で返事をした後、あたしも健一を真っ直ぐ見つめた。


子供の頃からずっと見て来た顔なのに、あたしの目の前にいるのは知らない男の人みたい。


いつの間にか、あたし達は子供じゃなくなっていて…。


だけど、まだ大人なれる程、成長出来てはいなくて…。


それでも、月日は確実に流れているんだと言う事を感じた。


あたしが黙っていると…


「ごめん……」


眉を寄せた健一が、申し訳なさそうに小さく言った。