咲『…あの…ね…』

新道[昔]『ん?…どうした?咲。』


咲『私、あの日…私が300年の眠りから覚めた日…私、本当は今すぐ死にたい…って思ったんだ…赤ちゃんが死んで……上杉君と…新田君も…死んで…私だけ残っ…たって……でもね、私…ゴホッボホゥ』


血を吐き、咳込みながら、喋る咲。


新道[昔]『咲、もういい、もういいから喋るな』


咲『お願い…最後まで……聞いて…ゴホッ』


咲『貴方が待っていてくれたから……この時代に……貴方が居たから、……死んだあの子達の…分まで……幸せ…にならなくちゃって…思っえたの……だから……あの政府の人達か……ら私…はも…う死んでて、貴方に、生き返らせられたのを…聞いた時…私…悲…しかった……私もあの子達と一緒にって……それと……その真実を……貴方…からじゃ…無く…他の人から……聞いた事が……悲しか……った……』


泣きながら、咲の話しに頷き、謝る新道。


新道[昔]『ゴメン…御免よ咲…』


咲『泣かないで……お願い……だからもう泣かないで……私は確かに悲しかった…けど……普通なら無いはずの……10年を貴方と…過ごす事が…できた……でも……もう私を、生き返らせないで……』


新道[昔]『ん?…』


咲『あ…な…たと…また…会え…て…嬉…しか…った…これは本当よ……でも……私は……あの子達の場……所へ行き……た…いの…

咲『だから……お願…い
…………』

咲は、また命を落とした。

意識が無くなった咲を見て、戸惑い、必死に咲きの名前を呼び掛ける新道。


新道[昔]『咲?…おい咲…』


咲の死を悟り、咲を守れ無かった自分自身を責める新道。



新道[昔]『なんでだなんでまた同じ過ちを繰り返すんだ……』


新道[昔]『俺は2度も……2度も咲を守れなかった…』

新道『その後の私は悲惨なモノだった、行く宛ても無く、崩壊した街を、ただ歩き続け、その挙げ句、私の研究所が跡形も無く消えていたのを発見し、その瓦礫の中から、研究データのメモリーディスクだけ持ち、私が地下に隠し持っていた宇宙船で再び火星へ向かい、火星に一人で生き続けた“孤独”だった