―滝沢―



そんな中、滝沢もまたリン達と同様に、真っ白い空間に一人立ち尽くし、辺りをキョロキョロ見渡して居た。



滝沢(ここ何処だぁ)


滝沢(ってか、誰も居ねぇし。)


滝沢(まさか俺、死んじまったかなぁ。)


滝沢(なら責めて、天使か神様くらい出て来てほしいなぁ。)


滝沢(何処かに“天国の”入口でもあっかなぁ?)


滝沢は宛ても無く歩きだした。


すると、少し歩いた滝沢の背後から、懐かしくて暖かい声が聴こえてきた。



?『お〜い何処に行くんだ?クソガキ』


滝沢が振り返りながら、その言葉に反応した。



滝沢『“クソガキ”って…あんた誰だよ?』


滝沢がそう言いながら振り返ると、そこには、タバコをくわえながらしゃがみ込む勇(オサム)の姿があった。



勇『おいおいいくら久しぶりだからって“誰?”は無ぇんじゃねぇの?』


滝沢『勇さん』


勇『よっ』


勇『しっかし、久しぶりだなぁおい。』


勇『元気そうじゃねぇか』


勇『どうだ?“女”ぐらい出来たか?』


滝沢『勇さん…』


滝沢『って事は、やっぱ、俺、死んでるの?』


滝沢『うっそ〜俺、まだ25だよってか、いつ死んだの俺』


勇『お〜い、とりあえず落ち着け〜。』


勇『ってかさぁ、お前、もうちょっと、“感動”したらどうだ?』


勇『久しぶりに会った育ての親を無視して、自分の生死の心配かよ』


滝沢『あぁ、そうでした。』