映像が終わり、新道は再び茂に質問をした。


新道『どうかね…私の願い…“本当の平和”が欲しいとは思わんか?』


茂[少年]『オッサン、一つ聞いて良いかな…』


新道『何だね?』


茂[少年]『仮に、俺がオッサンの話しに乗って、力を貸したとして、オッサンは“どうやって”世界を平和にするつもり何だ?』


新道『ん〜簡単に言えば、世界中の人々の記憶を私が操り、世界中から“争いを無くす”って感じだな。』

茂[少年]『オッサンが皆の記憶を操れるのは分かったよ…でも実際は、どうやって操ってるの?』


新道『ん?…』


茂[少年]『ん〜俺が聴きたいのは、オッサンが他人の記憶を操る“原理”見たいなもんかな…』


新道『そうだなぁ、君はパソコンに詳しかったね』

茂[少年]『うん。』


新道『君に分かりやすく、簡単に言うと、写真や映像の“合成”ってやった事有るかね?』


茂[少年]『うん、まぁ〜あんまり興味は無いけど、やり方くらいは知ってるよ。』


新道『私はまさに“記憶の合成”をしてるんだよ…』

茂[少年]『“記憶の合成”?…』


新道『いくら私が人の記憶を操れたとしても“無”から“有”を作り出す事は出来ないんだよ…』


新道『誰も持ってない記憶は私にも作れないって事だ。』


新道『例えば、極端な例を上げると、“宇宙人”が“サーフィン”をしたのを見た人は居ないし、有り得ないだろう?』


茂[少年](宇宙人がサーフィン?…このオッサンの例えのセンスが有り得ねぇ(笑))


新道『けど、“宇宙人を見た”事のある人の記憶と、“サーファーがサーフィンをしてるのを見た”事のある人の記憶を私が手に入れれば、“サーフィン”をしてるサーファーの“顔”や“体”を、宇宙人の“顔”や“体”に入れ替えて、それを記憶の映像化する事は出来るんだよ。』


新道『つまり、そんなやり方をすれば、世界中の人の記憶を私が持って居れば、かなりの数や種類の記憶を作る事が出来る。』