「柳人も一緒なんだねー。ハイハイ、邪魔者は退散いたしますよーっだ。…せっかく今日の買い物手伝ってもらおーかと思ったのに」



「今日、夕食当番なんですか?」



「うん、そう」






しかも今日は買い出しつき。



うちは園長が壊滅的に料理が下手なんで夕食は当番制。



とはいっても、必然的に家宅部のあたしが多くなってんだけどさ。







「そうなんですか。ソラは部活ありますしね…。手伝いたいんですけど…」



『オレ、荷物持ってやろうか?』



「えっ!?」






見ると、いつの間にか小梅の机にルゥがのっかっていた。



ルゥは月島先生が持ってきた一見奇妙で緑色のぬいぐるみにしか見えないんだけど…実はハイテクロボットらしい。



小梅の叔父さんが経営するアヤノトイズカンパニーで作られた最先端のロボットおもちゃの試作品。



デザインはまぁ、あれだけど…。



だけど本当に生きてるみたいなんだよね。








「ルゥ重たいもの持てるの?そんな小さい体で…」



『当たり前だろ!1tくらいなら楽勝だ!
…ほれ!!』






そう言うとルゥはあたしが座っている椅子ごと片手で軽々と持ち上げた。





うそっ!?



すごすぎでしょ今のおもちゃ!!



あたしだってウン十キロあるのに!!








「すっごいね!ルゥ!!じゃ、手伝ってもらおーかなっ!」





そうと決まれば急がなきゃ!



タイムセール始まっちゃう!



鞄に筆箱とファイルを詰め込み、財布を確認して準備OK!!








「じゃあまた後でね小梅!
…それにしてもあたし、小梅の叔父さんのこと見なおしちゃったよー。こんなすごいロボット作ってるなんて!!ただの変態じゃなかったんだね」



「何を言ってるんですかリナ!!見直しては絶っ対だめです!!」






…そんな真顔で言わなくても。



相変わらず身内に厳しいなぁ。