「ほっといても平均だっつーの。かすっただけだし。それより…」
「何言ってるんですか!こんなに血流してるのに!!他にも怪我してるところあるんでしょう?!」
……何でわかんだよ。
怪我に関してはホント察しがいいつーか勘がいいつーか…。
「だからダイジョブだって。大したことねぇし」
「ダメです!!柳人には前科があるんですから!!ちゃんと手当てしないとっ!」
「平気だっつってんだろ。いいから離せって」
「嫌です!ちゃんと傷口見せて下さい!」
「あの、盛り上がってるとこ悪いんだけどさ」
「「何?!」」
「君が手に持ってる石、ちょっと詳しく見せてもらえないかな?」
石?
これ石なのかよ?
「これか?」
右手を開いて石をそいつに見せた。
「えっ!?…これ…〝Hope Lights〟!?」
男が反応する前に、小梅が驚いた表情で声を上げた。
小梅が知ってるつーことは、有名な石…なのか…?
「うん。間違いないね。〝Hope Lights〟だ」
「どうして柳人が!?ていうか、〝Hope Lights〟って一つだけじゃないんですか!?」
「あれ、言ってなかったっけ?〝Hope Lights〟は全部で五つあるよ」
「聞いてませんよそんなの!!」
…おい、お前ら。
俺を置いて会話進めんなよ。
「小梅、何なんだよ一体?」
「…そうだね。君にも事情を話さないと」
「事情…?つか、あんた誰?」