「…うぇ~んっ!ママ~ァ!!」
絶対絶命的にヤバい状況の中で聞こえてきた、子どもの泣き声。
その子は怪物のすぐ後ろで泣き叫んでいた。
ちょっと…何してるのっ!?
そんなに声あげて泣いてたら、怪物に…!
案の定、怪物もその泣き声に気づいたらしい。
怪物の、鋭い爪が子どもに振り上げられるのと同時に、私の足は勝手に動いていた。
その子にむかって。
「危ないっ!!」
その子を庇うように抱き上げる。
逃げようと体を捻った瞬間。
ザシュッ!!
怪物の爪が私の腕をかすめた。
制服が破れ、滴り落ちる赤い雫。
だけど私は痛みを訴えるより先に、その場から走り出した。
逃げなきゃ。
この子を守らなくちゃ。
遠くへ…もっと…あの怪物が襲ってこないところまで…!!

