キーンコーンカーンコーン…。






1限目終了のチャイムが校内に鳴り響く。





まァ、俺ら一年はLHRだったが…。




本格的な授業は次の時限から。





……最初くらいは真面目に出るか。




そう思い、俺は重い腰を上げ屋上の扉を開けた。




階段を下り、1年1組の教室へと向かう。




つか、次の授業なんだっけ…。




美術とかだったらマジかったりぃな。




それ以前に教科書持って来てねぇけど。







「柳人!」



「…なんだ、ソラか」



「何だってなんだよ」



「別に」





中村 ソラは中等部からの顔なじみで今年たまたま同じクラスになりやがった。



教科書とか借りれねぇじゃねぇかよ、ったく。




しかも少々口うるさい。







「次から授業始まるぞ。またサボる気なのか?初っ端からサボってばっかじゃ目ぇつけられるだけだぜ。それでなくても中等部からの内申響いてんだし。お前の場合」






お前はどこのオカンだ。







「回りくでぇな。要するに授業に出ろって言いてぇんだろ。言われなくても出るっつーの。だから教室に戻ってきたんだろーが」





ったく…世話好きといえばいいのか心配性といえばいいのか。



コイツ誰に対してもこうだからな。



まァ育ってきた環境のせいもあるんだろうが。



こーゆー性格じゃなければもっとモテるんだろうに。



見た目も成績もそこそこだし、スポーツに至っては剣道の全国大会で2連覇してるバケモンだしな。





けど、それ以前にコイツがモテない理由は…。