いきなり背中を思いっきり叩かれて、勢いあまって転びそうになってしまった。






「いった…!…もうっ、リナ!危ないでしょう!?」





背中をさすりながら、後ろでにこやかな笑みを浮かべている呑気な幼なじみに注意をする。




全く…こういうところは昔っから全然変わらないんだから。








「何を今更ー。ただのスキンシップじゃんかっ」





スキンシップで転んだらどうするんですか。






あれ?



そういえば…。






「リナ、今日は一人なんですか?ソラや他の子たちは?」





リナは私の家の隣に建つ、児童養護施設·中村園で生活している。




中村園では毎朝、子供たちはみんな一緒に登校するはずなのに…。







「それがさーソラたち、あたしを置いて先に行っちゃったんだよー!?ちょーっとの寝坊くらい、待っててくれたっていいのにさっ。…でも、小梅も今日、いつもより遅いね」



「えっ…まぁ、リナと同じ寝坊っていうか、寝不足っていうか…」





全然寝てませんしね。



今日の始業式大丈夫かな…。