「楓くんはここで待ってて!!」



「俺も行くよ!いくら魔法が使えるようになったからって女の子一人に戦わせるほど腑抜けじゃねえんだよ!」






カッコイイこと言うじゃん楓くん。



でも、更に無茶してこれ以上〝Hope Lights〟を壊されても困る。



あたし直すことに関してはまだコツすら掴めてないのに。








「だから楓くんはここで待ってて!ね?」



「でも…!」



「そんなに心配しなくても大丈夫だって!イーヴルがなんでここに現れたのかはわかんないけど、1体だけなんでしょ?1体くらいならなんとかなるって!」



「楓くん、ここは中村さんの事を信じよう。俺達魔法使いもサポートに回るし」



「…わかったよ。気をつけてな中村さん!!」



「うん!じゃあ月島先生、早く現場に行こう!!」



「あぁ」







月島先生が素早く魔法陣を描き出す。



そしてまた一瞬にして、キヌじいの部屋から綺麗な湖が広がる森の中へと移動した。




湖のほとりの木々が何本か乱暴に折れ曲がっている。



次々に呪文を唱えながら戦う数人の魔法使いの姿。



その中には先程出会った小さな王族の長、マリィちゃんの姿もあった。




魔法使いの向こう側で暴れ狂う黒い怪物…あれは間違いなくイーヴルだった。