部屋全体が揺れるほどの轟音が鳴り響いた。





地震!?



それとも火山噴火!?



でもこの国に山なんてあったっけ!?



そんな突拍子もないことを考えながらうろたえていると突然あたしの目の前に人が現れた。






「うわぁ!?」






び、びっくりしたー!!



いきなり現れないでよ!!








「最長老はどちらに!?」





現れた男の人は顔が真っ青でとても慌てた様子で言った。








「キヌじいなら確か月島先生とどっかで話し込んでたはず…」



「わしはここじゃよ」



「うぎゃあ!?」






なんでこの国の人はいきなりあたしの目の前に現れるわけ!?



ただの嫌がらせなんですけど!?








「た、大変です最長老!!東方区域のはずれに…イーヴルが現れました!!」



「え…!?」







イーヴル!?



どういうこと!?



だってイーヴルは一年はおんなじ場所にしか現れないはずでしょ!?



まだ一年なんて経ってないのに、どうして苺市から遠く離れたこの場所で…!?








「…やはり、〝魔力〟に惹かれて来たか。
状況はどうなっておるのじゃ?」



「はい…!今のところ東方区域の者たちが交戦しておりますが長くは持ちません…!最長老…どうか〝Hope Lights〟の使い手たちに救援を…!!」



「あたしが行きます!」






あたしだって〝Hope Lights〟の使い手なんだから!



今までは足手まといにしかならなかったけど、でも今は魔法が使える!



あたしだって戦えるんだから!!



助けなきゃ、守らなきゃ、この国の人たちを!!