「え…?なんで森…?」
うっそうと生い茂る植物。
高く高く成長した木々の中にあたしたち3人は立っていた。
「緑…こんな森ん中が魔法の国なのか?」
「まさか。違うよ。ちょっと軸がズレたみたいだね。まぁ人数も多かったし。とりあえず街まで歩くよ。足元気をつけてね」
ええ!?
歩く!?
こんなジャングルみたいなとこを!?
そんなの聞いてないし!!
こんなことならブーツ履いてくるんだった!!
「大丈夫だよ中村さん。心配しなくてもこの森には毒とか持つヤツはいないから。多少魔法生物は生息してるけど」
「そっちの方が危険じゃないの!」
「まぁ文句言ってもしゃーねーだろ?行こうぜ中村さん」
「わかってるわよ楓くん…」
月島先生の背後にぴったりくっつきながら森を抜ける。
20分くらい歩いてようやく道らしきところにでられた。
その道を歩くこと数分。
あたしたちの前にレンガ作りの大きな門が見えた。
「もしかして、ここが入り口?」
「そうだよ。東方区域(イーズタウン)。俺の生まれ故郷さ。そして〝大魔女〟の故郷でもある」
へー。
月島先生と小梅ママの生まれたとこか…。
「さ、門番の許可は出てるし、中へ入ろう」
下がってたテンションも一気にあがる。
だってこの先が魔法の国なんだものっ。
わくわくしながら門に一歩足を踏み入れる。