あたしは部屋を出て台所へと向かう。
その途中で大好きな人を見つけた。
「ソラっ!!」
勢いで後ろから抱きついた。
「わ…!!あいててっ」
「あ…ご、ごめん!!」
そうだ…!!
ソラ、大怪我してたんだった…!!
あたし何やってんのよバカー!!
「ソラ、大丈夫!?ごめんねあたしいつもの調子で…!!」
「いや、大丈夫。俺の方こそびっくりさせてごめん」
「ソラ、ムリしないでよ…っ。ケガ、痛むんでしょ!?」
「いや、ケガはもうほとんどないんだ。魔法使いの人たちが治癒魔法とやらで治してくれたし。ただ全身が筋肉痛で…」
「そうだったんだ…。だから歩くスピードも遅かったんだね。歩き方だってヘンだし」
「リナは?もう動いて大丈夫なのか?」
「うん!!この通り!!」
「そっか…。よかった」
「ソラ、こんなとこで何してたの?」
「何って…腹減ったから台所貸してもらおうと思って…」
「え?ソラもご飯まだだったの?もう10時過ぎてんのに?」
「ずっと寝てたからなー俺」
そっか。
みんな戦ったんだし疲れてるよね…。
「あたしもこれからご飯作りに行こうと思ってたの。だからソラの分もあたし作るね!」
「おぅ。サンキュー」
あ、ソラがまだなら小梅たちもまだってことかな?
ついでだしみんなの分も作っちゃおうかな。
「柳人と小梅は済ませてきたって。三笠はまだ寝てるけど…。あの分だと多分、朝までぐっすり寝るんじゃないか?」
「えっ?そうなの?」
てゆーか小梅と柳人は元気にデートしてきたんかいっ!
いいご身分ですこと!
じゃあ夕食はあたしたち二人分でいいか。
てか頼まれたって作ってやんない。