ゴァアア!!
再び大地が揺れる。
中村さんが魔力を込め始めたらしい。
バキィ!
バキィキ…!
強大な魔力が一点に集まる。
その影響で生まれた爆風は、地面を剃り、木々を折れ倒す。
倒れてる柳人とソラさえも――。
…立って、られねぇっ!!
「中村さん止めてくれ!!このままじゃ、柳人とソラが…!!」
必死に、爆風に負けないくらいに叫んだけれど。
俺の言葉は、中村さんの耳に届かなかった。
あんなに。
あんなに仲良くしてた仲間なのに。
今の中村さんには眼中に入っていないようだった。
一体、どうしちまったんだよ!?
視界が揺れる。
世界が、揺れていた。
震えていた。
中村さんの〝力〟によって。
『く…っ!いかん!!このままでは…!!』
「止まれ!!い――」
「リナっ!?」
バシュッ!!
突然、名前を呼ばれた中村さんは、電池が切れたかのように、その場に倒れた。
辺りに静寂が訪れる。
そして、中村さんの名前を呼んだのは――。
「あ…綾小路さん!?」
いつの間にか、傷だらけの綾小路さんが、背の高い男と共に歴史館の前に立っていた。
良かった…無事…だったんだな。
やべ…。
俺、もう立ってんの、限界……だ……。