ドガッ!!




俺が放った右拳は、ツルギの両手から短剣を奪い去った。



勝負ありだ。



あとはこいつをテメーにぶち込むだけ…!!








「あららら~。んな雑魚に力使うつもりはなかったんだがなー」



「何言ってんだか知んねーが、テメーはこれで終わり…」







ドシュッ。





背中に何かが刺さった感触。



次に激痛が俺を襲った。









「な…っ!?」






何とか背中に目をやると、俺がさっきツルギの両手から弾いた短剣が突き刺さっていた。









「おいおい、ボサっとしてんなよヒーローさん。俺がいつ短剣が2本だけだなんっつたんだよ」




「数の問題じゃねぇよ…!テメー…!!どうやって俺の背中に短剣を…!?」



「刺したかって?
はっ!笑わせるねぇ。
俺らだって魔力の一つや二つぐれー使えるんだぜ?」







そう言って、ツルギが空に手をかざした。




するとどこからともなく無数の短剣が宙に浮いていた。



もちろん刃先は俺に向けて。






「さ~て。串刺しになる前に見せてみろよ。ヒーローさんよ。てめーの魔力をさ」



「魔力…!?俺に魔力なんざねーし」



「何言ってやがんだてめー?」



「それは俺のセリフだ!」



「〝Hope Lights〟の魔力ぐれー、使い手なら使えんだろーが」



「〝Hope Lights〟の魔力!?
なんだよ…それ…!?」



「…てめーらまさか、〝Hope Lights〟が武器に変化するだけだと思ってんのか!?
超呆れるぜ。てめーら〝特別〟だって聞いてたが、ただの雑魚以下…クズじゃねーか」



「んだと…っ!!」



「はー。超萎える~。もういいや。力試しとか。……死ねよ」







その言葉と同時に宙に浮いていた無数の短剣が俺目掛けて落下してきた、というより飛びかかってきた。