ビュンッ!
ビュビュンッ!!
ザシュッ!!
考えるヒマなんてなかった。
音が聞こえたと同時に体中が切り裂かれていた。
な…っ!
カメリアさんは武器を構えるどころか、構える武器すら持ってないのに!
ただ、そこに立っているだけなのに…!?
「ぐ…っ!…ぅ…っ!!」
ポタポタと血が落ちる。
傷が浅いところもあれば深いところもあるみたいだった。
…浅いところと深いところ?
同じ攻撃を受けたのにどうしてダメージに差が?
ビュンッ!!
音の聞こえた方向にとっさに薙刀を振るった。
キィン!!
まるで斬撃をはじいた音が鳴り響いた。
そうか、カメリアさんの武器は…!
ビュビュンッ!!
私はまた音のした方向に薙刀を振るう。
キキィン!!
「…あなたの武器は…この〝風〟なんですね?」
「そうだ」
「だから海風が吹くこの浜辺に来たんですね?」
「わかったところで貴様はどう戦うつもりだ?」
「…そう…ですね」
策はあるにはあるけれど。
この砂浜を利用したところで、相手は風。
逆手に取られるに決まってる。
ならば…。