…頭が……痛い。
この、歴史館に来た時から…もっと正確に言うなら、小梅から「森良町」って言葉を聞いた時から。
何故だ?
わからない。
わからない…何も…っ!
····
けど、知ってる。
俺は森良町を知ってる。
そしてリナにそっくりな桜月 苺。
館長である一。
その名を俺は、覚えている。
何でだ…っ!?
俺は…ここに来たのも初めてで、桜月 苺や一を見たのも、今日が初めてなのに…!
「ソラ、大丈夫…?」
「え…っ!?」
リナがいつの間にか俺の顔を覗き込んでいた。
俺は館内にあるイスに座り込んでいたらしい。
「顔色悪いよ?どうしたの?」
「あ、あぁ…。大丈夫だよ。俺、どうも歴史とか苦手ならしな。こーゆーの見るだけで頭イタくなるよ」
「あはは。それ言うならあたしもだよ」
そう、笑ってはぐらかした。
リナに、みんなに、心配はかけたくなかった。
すると、リナは俺の手を握って言った。
「あのね、ソラ。帰ったら…話、あるから」
「帰ったら?…今じゃダメなのか?」
「うん。…まっ、ゆっくり休んでて!」
俺が何かを言う前に、リナはそれだけ言うと小梅たちのもとへ走っていった。
次の瞬間、轟音が館内に鳴り響く――。