「リナちゃん。杖はね、きっかけにすぎないのよ」



「きっかけ…?」



「そう。あなたの〝力〟のことはあなた自身が一番よく知っているはずよ」



「って言われても…あたし…記憶ないし…」



「それでも、あなたのことはあなたしか知ることができないわ」



「…つまり、自分のことを知らないと魔法は使えない。戦えないってことですよね?」







結局はまた記憶を戻せって話に戻ったってことか…。








「いいえ」



「え…!?」



「記憶は自ずと戻ってきているハズよ。だからあとは、あなた次第よ。すべてはあなたたちが決めることだから」



「どういう意味ですか…!?」







けどその答えは返ってこなくて。



小梅ママはにこやかな笑みを浮かべたまま、夕飯を作り始めてしまった。




…小梅ママって時々理解不能な発言をするんだよね。



2年前…柳人の時もこんな感じでよくわからないことを言ってた気がする。






ここから先は自分で考えろってことか…。



結局、よくわからないアドバイスしかもらえなかったな。



てかアドバイスっていうのかな…?




前進したんだか、後退したんだか…。