「柳人出番よ!!」



「は!?」





すかさず紙とシャープペンを取り出したあたしは柳人に向かって投げつけた。







「顔知ってるなら似顔絵つくれるでしょ!?もしかしたら案外近くにいるかもしんないしね!!ささ、先生、柳人にその人の顔の特徴をっ!」



「えっ!?…てか柳人くんそんな特技があったんだ」



「うっせーな!!別にいいだろーが!!もう面倒くせーから早く喋ろよ!!俺はさっさと帰りてぇんだよ!!」






そんなこんなで数十分後。







「…こんなもんか?」



「おー!すごいね、柳人くん。そっくりだよ」



「いや…つーかだって、これ…」



「どれどれー!?あたしにも見してーっ!!」






あたしはさっそく柳人が描いた似顔絵を覗き込んだ。







「うん…!すごく似てるよ柳人くん!これで髪を金色、瞳を深紅にしたら完璧だよ」



「…この人…!?」



「でも中村さん、こんな美人街中でそうそう見ないと思うけど…」



「「めちゃめちゃ見たことある」」






柳人と声を揃えて即答した。



だってこの似顔絵の人は…!!








「ど、どういうことかな?中村さん、柳人くん」



「よし!!柳人、月島先生!!会いに行くわよ!!」



「「えっ!?」」



「会いに行く…って、中村さん、この方知って…?」



「おぃ!!俺は行かねーぞ!!この人だけならまだしも、絶対隣にあの人が…!!」



「つべこべウルサい柳人!!男でしょうが!!」






あたしはカバンからケータイを取り出した。





何回かのコールの後、ようやく電話に出た。







「あ、小梅?稽古何時くらいに終わりそう?……うん。……じゃ、今から小梅ん家に行くからねっ!……うん。…テキトーにご飯作って待ってるからー。じゃね!」






よし!!



小梅の許可もおりたし…!!



ま、小梅ん家行くのに許可必要ないけど。







「じゃ行きましょか!」