はぁ。
ヤッパリ見た目が見た目だったもんな。
ありゃ完全に不良だ。
先生にもあんな怒鳴られてたし。
けどあんだけ怒鳴られて平然としてるあいつの方がすごかったけど。
今度はちゃんと見てから声かけねーとな…。
おっ!!
またもやいいところに生徒がっ!!
今度は…男女二人組か。
男子の方は………え…っ?!
ぎ、銀髪!?
なんだよこの学校!!
校則緩すぎだろ!!
女子も女子の方で制服ノースリーブで胸デカいのまるわかりな格好してるけど。
どうする俺…?
見た目はあれだけど仲良さそうなカップルだし、時間も押してるしな…。
よし!!
当たって砕けろだ!!
「あのスンマセン。ちょっといいですか?」
「ん?どうした?」
「迷子かな?」
おぉー!!
超フレンドリー!!
これならいけるかも!!
「そ、そうなんだっ!いばることじゃねーけど…職員室ってどこにあるんだ?」
「職員室?うーん…。こっからじゃちょっと遠いな」
遠い!?
どんだけデカいんだよこの学校!?
「送っていってあげたいけど、あたしたちこれから授業あるしね…。どうしようかソラ?」
「そうだなー。
…あっ!じゃあ兄ちゃんが地図書いてやるから!ちょっと待ってなっ!!」
地図って…っ!!
…こいつ…完全に俺のこと年下だと思ってやがるな…。
けど、ここは我慢だ俺…っ!!
「よしっ!!できた!!」
そう言われて手渡されたのはノートの切れ端に書かれた小さな地図。
「これ見てもわかんなかったら迷わず人に聞くんだぞ」
キレるな俺。
キレたら負けだぞ…!!
「あ…あぁ!ありがとな!!」
俺はなんとか笑顔でソイツに礼を言ってやった。
かなり引きつった笑顔だと思ったが、ソイツは疑うことなくニコニコ笑顔で返しやがった。
「うん。今度はちゃんと一緒に行ってやるからなっ!じゃーな!!気をつけるんだぞ!」
次会ったら必ずぶん殴る。