全力で走って、道場についた俺が見たものは。
大きな…2、3mはある黒い怪物。
手足は鋭くて、口が大きい。
人間が丸呑みできるような…そんな怪物が3体。
そして、そいつらの下には小梅と柳人の姿があった。
何だ…あれ…っ!?
てか、小梅と柳人も…何で…!?
状況は理解不能だったけど、小梅は薙刀、柳人は…素手で、ヤツらからの攻撃を受けている。
た、戦ってんのか…!?
あんな化け物たちと…!?
…って何俺ボーっと突っ立ってんだよ!!
友達が戦ってんだ…!!
こんまま見てられるか!!
小梅と柳人でもあの巨人3体はキツそうに見えた。
1体くらいなら俺にだって…!!
俺は転がっていた石を1体の巨人にぶつけた。
「おい!!巨人!!お前の相手は俺だ!!」
「「ソラッ!?」」
小梅と柳人が俺の存在にようやく気づいたらしい。
「事情はわかんねえけど、俺も戦うよ!!」
俺だって実力は一応、日本一取れるくらいはあるんだからな!!
まんまと俺の挑発にのった巨人1体が俺目掛けて攻撃を仕掛けてきた。
右上から爪で攻撃か…。
これくらいなら竹刀で受けれる!!
持ってた竹刀を構えた。
バギャアッ!!
「…え?」
ものの見事に竹刀はチリにかわった。
えぇー!?
マジかよ!?
ちゃんと刃筋も読んで受けたつもりなのに!!
刃がたたなければ切り裂くことは不可能なはず…。
なのに、こんな…っ!?
いや、これは刃で切り裂かれたんじゃなくて、ものすんごい力で砕かれたのか…!
なんつーデタラメな怪力持ってんだよ!!
「ソラッ!!危ない!!」
「えっ!?」
小梅の言葉が届いた時にはすでに遅く、巨人の左爪が俺の目の前に現れた。
ザシュッ!!