『で、何でお前はそんなに強くなりたいって思ってんだ?』



「え?」






そう言われてみれば…別にこれといって目的はないけど。



でも誰だってスポーツとかやってたら、上を目指すもんだろ?






『スポーツ…ねぇ。まぁ、そりゃそうだな。
…けど、覚えてた方がいいぞ。
力を求めすぎるとその分厄介ことも増えるってな』





何だこのロボット?



育てるつーか、すでに年寄りみたいだな…。






『誰が年寄りだっ!!』




ゲシッ!!



手で引っかかれた。



地味に痛い…。



ていうか俺、最近ずいぶん殴れてるような…。








朝練と午前の授業を終えた昼休み。




いつもならリナと弁当食べてそのまま過ごすんだけど…。



リナ、今日もあまり元気がないみたいだ。



弁当置いてすぐどっか行っちまったし。



何とかしてやりてぇけど…。





何もできない自分にイライラするっ!!



こういう時は…練習するに限る!!




俺は胴着を持って学校内にある道場へ向かった。



向かう途中、何かヤケに校庭や中庭にいる生徒が少ないなと思った。



いつもならわんさか人がいるのに。



弁当食べてるヤツらとかサッカーや野球とかしてるヤツらとか。



何かあったんかな?







「君、えーっと…。…中村くん?」



「はい?」





名前を呼ばれて振り向くと、白衣を着てソフトクリームを食べてる男がいた。




…確かリナ達の担任の……。