「ふ…っ。恐怖で言葉も出な…」



「何なんですか!?あなたは!!
礼儀がなってないですって…!?
私、一応綾小路財閥の後継者として今までそれなりの礼儀や作法は学んできたつもりです!礼儀がなってないのはあなたの方でしょう!?いきなり上がり込んで挨拶もナシに好き放題おっしゃって!!
ていうかまず第一に、家の中では靴を脱いで下さいっ!!ここはあなた方の国ではないんですからこの国のルールに従って下さい!!
それにあなた仕事をさぼっていたのに何故そんな上から目線で物事をおっしゃることができるんですか!?そのご様子じゃ反省すらしてないですよね!?ご自身の仕事わかってらっしゃるんですか!?人の命を左右するんですよ!!もっと責任と覚悟を持って下さい!!
それができないのならさっさとご自分の国に帰って下さい!!」



『すげー…。あのガイア相手に説教するヤツ初めて見た。小梅ってホントにお嬢様なのか?』



「そうだね。なるべく綾小路さんは怒らせないようにしよう…」



「ちょっとそこ。聞こえてますよ」



「フッ…フハハハハー!!」






…何!?



私に文句を言われたガイアさんは、反省するかと思いきや、爆笑し始めました。



今笑うところじゃないでしょうが!







「あの…!!」



「フハハ!!気に入ったぞ小娘!!貴様、名は!?」



「…人に名を尋ねる時は自分から名乗るのが礼儀でしょう!?」



「フッハハ!!どこまでも面白いやつだな。
俺は、原月 ガイア(ハラゲツ ガイア)。ヴァイズ国西方上貴族で、合種―吸血鬼だ」







…あの。



今の自己紹介、半分も理解できなかったんですが。




ごうしゅ!?



吸血鬼!?




というか吸血鬼って、妖怪じゃないですか!!



そんなのまでいるんですか、ヴァイズという国は!?