結局先輩と気まずい空気のまま迎えた合宿。

私はイライラを抱えたままだった。


先輩にいらだっているのではなくて
何も言えない自分自身にイライラしていた。



「ちょっと!五十嵐先輩とられちゃってるじゃん!!」



行きのバスの中で隣に座っている京子が前の方を指差した。

五十嵐先輩の隣に誰か座ってる。
すぐわかる。きっと2年生の先輩だ。



「最近、岩崎先輩ずっと傍にいるねっ・・・!このままでいいの!?」



岩崎先輩っていうのが
その隣にすわっている2年生の名前。

あんまり1年生とは接触がない先輩だから
性格とか弓道の上手さとかはあまりわからない。

どんな人かわからないからこそ不安になっちゃうよ・・・。