あの時。


私が麗奈に彼ら新選組に出会った話をした時、麗奈は真剣に話を受け止めてくれた。

時々驚きながらも、信じてくれたんだ。



『でもどうして自殺なんて……織らしくもないこと、考えてたの?』



全てのあらすじを話し終えてから初めに、そんなことを問われたんだ。

考えていたのは自分なのに、確かに、とその時納得した。


ちゃんとしたものではないけれど、一応理由はある。



私にはこの世界よりも、幕末という世界の方が魅力を感じるから。


この世界の政治やら戦争やら、全てに絶望したから。



ただそれだけの理由だった。



それを麗奈に言うと、おかしいとも言わず、なるほどね、とだけ笑顔で呟いた。