外に出られない、退屈な毎日が続く。


外に出たくても、山崎さんが目ざとくて、すぐに見つかってしまう。

近藤さんも土方さんも、最近は全然構ってくれない……



「ねぇ、そうだ! 山崎さん!」


「なんや」


「貴方がお菓子を買ってきてくれればいいんです!」


「は?」



山崎さんとは毎日会うし、毎日話す。

でも、病のことに関しては何も口にしない。

私のことを気遣っているんだろうか……



「俺、甘いもん嫌いやから」


「まぁったそんなこと言ってぇ! たまに食べる分にはいいですよ~っ?」


「それは沖田さんの場合と違うんか」


「う……」



私がどんなこと言ったって、山崎さんは冷めきっている。


冷静なのはいいけど、どうしてそこまでなのかなぁ……



「では、俺はまだ仕事があるんで」


「…はぁ~い」



あの手を使ってしまったら……私は負けだから。

彼女の名を出してまで、山崎さんを止めたくはなかった。


何故なら、山崎さんは彼女が居たことで、初めて感情を表に出したのだから。



「ですもんねぇ……」



仕事一筋の山崎さんに、彼女の存在は大きすぎたのでしょうね……