「無事ですね、沖田さん」
「はい、何とか……ゴホッ」
まだ刀を受け止めたままだけど、振り向いて沖田さんと小声で話す。
二つの刀がカタカタといっている。
まるで、早くしろとでも言うかのように。
「……さ……でよ」
「ぁあ!? 何だ餓鬼が!」
俯いて、私は低い声で呟く。
でもそれは誰にも届かず、この男は怒りを露わにする。
自分でも何て言ったかなんて、覚えていない。
ただ、大切な人を失うのは辛いと、聞いたことがあったから。
あれは麗奈が言っていた言葉だったと思う。
『身近にいてね、しかもそれが自分の大切な人だったら――…』
「この人を殺さないでよッ!!」
『目の前でその人が死ぬより、自分が犠牲になってでも護った方が、自分自身は後悔しないと思うよ』
「私は―――…!」
『―だって、大切な人の傍で天国に逝けるんだよ? きっと幸せでしょ?』
麗奈の声が、脳裏に響く。
ただ何気なく聞いていた言葉が、今自分の置かれている状況と同じになっているんだ。
「はい、何とか……ゴホッ」
まだ刀を受け止めたままだけど、振り向いて沖田さんと小声で話す。
二つの刀がカタカタといっている。
まるで、早くしろとでも言うかのように。
「……さ……でよ」
「ぁあ!? 何だ餓鬼が!」
俯いて、私は低い声で呟く。
でもそれは誰にも届かず、この男は怒りを露わにする。
自分でも何て言ったかなんて、覚えていない。
ただ、大切な人を失うのは辛いと、聞いたことがあったから。
あれは麗奈が言っていた言葉だったと思う。
『身近にいてね、しかもそれが自分の大切な人だったら――…』
「この人を殺さないでよッ!!」
『目の前でその人が死ぬより、自分が犠牲になってでも護った方が、自分自身は後悔しないと思うよ』
「私は―――…!」
『―だって、大切な人の傍で天国に逝けるんだよ? きっと幸せでしょ?』
麗奈の声が、脳裏に響く。
ただ何気なく聞いていた言葉が、今自分の置かれている状況と同じになっているんだ。