ひとひらの願い―幕末動乱―

沖田さんにちらりと視線を送ってみる。


やっぱり、何かあるな……


「高蔵くん、早く!」

「はっ、はい!!」


彼を見ているうちに、数秒経ってしまっていたようで、局長に声をかけられた。


また何考えてるの、私-…


物事がマイナスな方へ導かれていくような。

そんな考え方だし、今からそうなってしまいそう。


でも、不思議と怖くはなかった。

あの人の隣にいられるから。
それだけで私は安心できるんだ。


「織さん、やっぱり大丈夫ですか?」

「…何がですか?」


心配するように、沖田さんに小声でそう聞かれた。

今ちょうど、局長がとある宿に『御用改めである』、などと言っている時。

私達はとりあえず外で待機している。


「何がって貴女ねぇ……仮にもおなごでしょう? 人を斬ることが怖くないんですかって聞いてるんですよ」


呆れた様子で更に言う沖田さんの言葉を聞いて、私も呆れた。

女だからって、そんなことを気にしていたみたい。


私は今では、女を捨てているのに。