「高蔵。俺、思ったんやけど」

「何をですか?」


山崎さんは、私の隣に同じように足をぶらぶらさせるような感じで座り、足元を見つめる。


考えていることは、やっぱり分からない。



「高蔵……今よりも未来から来たんと違うか…?」


「へ……? 何でそれを-…」


山崎さん…本当に何者なんだろ。


突然、そんなことを真剣に聞かれたから、答えるのが大変だった。

でもまさか、一発で私が未来から来たこと当てるなんて、ありえない…!!

驚きの表情を隠さずにいた私の顔を覗き込んだ山崎さんには、私のことがバレバレだった。


「その顔、ホントなんやな」

「……はい。でも、そんなこと言ったからって、信じられるんですか?」


忍びって怖い……
何でもお見通しっていう感じがする。

鬼の副長よりも実は怖かったりしてね――…


でも、私のことを信じられるはずがない。


実際、ありえるはずのないことなのだから…