「女性にそんなこと言われる日が来るなんて…思ってもいませんでした! ありがとうございます! 織さんも私の救世主ですよ!!」

「え…いやぁ……私はただお礼を言ったまでですけど……?」


次は私の番らしく、耳まで赤く染まっていった。

今なら、沖田さんが照れた理由も分かる。

沖田さんのテンションは、少し上がっているように思う。


―でもそれはどうしてなんだろう……?


「今までお礼とか…言われたことないんですか…?」


ふいにそんな言葉を発したけど、沖田さんはそれに対して、しれっと答えた。


「あ、そうですねぇ……特にお礼というお礼は、されたことがなかったかもしれませんね! だから嬉しいのかもしれません!」


ただお茶を煎れにきただけの台所で、沖田さんと既に亡き者となっているような原田さんと……

ある意味、本当の気持ちみたいなのが分かった気がする。


―ん……?

"お茶"――――あ。