―そうなんです。
私、実は、というか何故か、互角にあるんです!!

これはどういうわけだか、私自身分からない……


そんな時、隙もつくらない彼の剣先が、微かに揺らいだ。

その時の彼の竹刀は、私の面を狙っていた。
私はその竹刀を払い-…

ヒュッ---…


「ハァ……やりますね。…織さん」


私の剣先は沖田さんの、喉元に突きつけられていた。

突き一本あり、か。


『やっぱりすげぇよ、あの女! 童のくせしてあの沖田さんから一本とるなんざ…! 俺達でも有り得ねぇってのを-…』


周りで見ていた隊士の一人…
恐らく、さっきの彼だと思われる人がそう言っていた。


「織くん! すごいじゃないか! 総司からこの短時間で一本とれるなんてな。この私でも三本に一本しかとれないというのに……」


近藤さんは感嘆しているようで、そう言いながら、私に向かって拍手をしていた。