Love story's

「まだ何かあるのか?」


「えっ?ううん!」


不意に訊かれたせいで、咄嗟に首を横に振ってしまった。


「ふ〜ん……」


廉はほんの少しだけ眉を潜めた後、タバコの灰を灰皿に落として雑誌を捲った。


その仕種に、ドキッとする。


廉は、指先まで色っぽい。


彼の指は、毎晩あたしを甘く鳴かせるから…。


その事が頭を過ぎった時、昨夜の事を思い出してしまって…


いつもと変わらない廉の姿を見ているだけなのに、あたしは何だかドキドキしていた。