Love story's

「お待たせ致しました」


樹里はニッコリと笑って、綺麗にラッピングされたネクタイを受け取った。


俺達は店を後にして、ブラブラと歩いた。


「他は?」


「何が?」


歩きながら訊くと、樹里は不思議そうな表情で俺を見上げた。


「他にはどこに行きたいんだよ?」


「えっ?特にないけど……」


「欲しい物って、ネクタイだけ?」


「うん」


最初に言っておけよ……


俺は、小さくため息をついた。