Love story's

樹里に言われるがまま歩いて、彼女の目的の店に着いた。


「……欲しい物って、スーツ?」


スーツの専門店に連れて来られた俺は、樹里に訊いた。


「う〜ん……」


だけど、彼女は俺の問いには答えず、意味深な笑みを浮かべただけだった。


何だよ!?


本当はそう思ったけど…


樹里には言わず、俺は黙って彼女の買い物に付き合った。


店内を歩いていると、樹里はネクタイ売り場の前で足を止め、地味なネクタイを手に取った。