Love story's

開けた窓から入って来る金木犀の香りと混ざる、カラメルミルクとコーヒーの香り。


陽射しの中でのティータイムは、すごく穏やかに流れていく。


「金木犀、いい匂いだよね」


「そうだな」


鼻先をくすぐる独特の香りに、嗅覚を研ぎ澄ませる。


「ママにも届くかな……」


希咲は庭の金木犀を見つめたまま、ポツリと呟いた。


こんな些細な一言を聞くだけで、彼女への愛おしさが増す。


「届いてると思うよ」


笑顔で返した俺を見上げた希咲は、眉を少しだけ寄せながらも笑顔を見せた。