Love story's

だけどあの時、希咲の母親は俺の気持ちを見抜いていた。


俺は理由を伏せて、『カラメルミルクの作り方を教えて欲しい』と言ったのに…


希咲の母親は、俺の真意を知っていたんだ。


だから、きっと教えてくれたんだと思う。


俺の気持ちを知っていたからこそ、隠し味の事を話してくれた時、“あんな言い方”をしたんだろう。


自分の気持ちを見透かされていた事は、今思い返しても恥ずかしい。


それでも、俺の希咲への想いを認めてくれていた希咲の母親に、心からお礼を言いたくなったんだ――…。