Love story's

それからしばらくして、希咲の母親は入院した。


元々体が弱かったし、家族は余命が短い事を知っていたらしい。


希咲と幼なじみだとは言え、俺は希咲の母親が病弱だった事以外は何も知らなくて…


あの日が希咲の母親にカラメルミルクの作り方を教えて貰える最後の日になるなんて、全く思いもしなかった。


希咲の母親が俺にカラメルミルクの作り方を教えてくれたのは、自分がいなくなった後も希咲の為にこれを作ってくれる人を求めていたからなのかもしれない。


今となっては、もうその真実がわかる事は無いけど…。