Love story's

「ごめんね」


「え?」


「おばさん、ちょっと意地悪しちゃったの」


悪戯っ子のように笑う希咲の母親に、思わず首を傾げてしまう。


「これはね、隠し味を入れないと完成しないのよ」


「隠し味?」


「うん」


「隠し味って何!?教えてよ!」


間髪を入れずに訊くと、希咲の母親が目を細めて微笑んだ。


「それは、凪君自身が気付かなきゃダメなの。だから、これだけは教えてあげられないわ」


キッパリと言った希咲の母親は、また悪戯っ子のように笑った。