Love story's

「早く入れば?」


「……お、お邪魔します」


虹ちゃんに言われて一瞬だけ悩んだ後、あたしは小さく言いながら足を踏み入れた。


その瞬間、彼は堪(コラ)え切れないと言わんばかりに吹き出し、今度は声を上げて笑い始めた。


「ちょっと、虹ちゃん!笑わないでよ!」


「……ごめん。緊張しまくってる紫がおもしろくて、つい……。それに、今日からここは紫の家でもあるんだから、『お邪魔します』じゃないだろ?」


息を整えてからそう話した虹ちゃんは、あたしの頭を優しく撫でた。