Love story's

「……なぁ、羅夢」


「何?」


「いっその事、転職したら?」


「え……?」


転職……?


頭に過ぎった言葉に、ため息をついた。


「それが出来るんやったら、とっくにそうしてるし……」


晴稀と違って、大した学歴も取り柄も無いあたしは仕事なんて選べない。


仮に転職をしたって、先が見えないのなら意味が無い。


「今の仕事でも生活するだけで精一杯やのに、転職なんか絶対に無理に決まってるやん……」


呟くように返したあたしは、必死に涙を堪えている事を晴稀には知られたくなくて、彼に背中を向けた。