Love story's

「ん……」


モゾモゾと動いた沙耶がうっすらと目を開け、寝ぼけ眼で俺を見た。


「……起こしたか?」


そう訊くと、まだ睡魔に襲われているらしい彼女が小さく微笑んだ。


「……っ!」


その表情に心臓を鷲掴みにされた俺を余所に、沙耶はそのまますぐに瞼を閉じてしまった。


「くそっ……!」


今のはずるいだろ!


悔しさを感じて舌打ちをした後、沙耶をギュッと抱き締める。


「寝ぼけてるくせにあんな顔するなんて、生意気なんだよ……」