いつもと同じ道。
いつもと同じ電車に乗る。
いつもと同じ町並み。
だけど、私にとってはモノクロに見える。
ただの道。
ただの電車に乗る。
ただの町並みを歩く。
先生がいなくなった事で、私の住む世界は一気にモノクロ化してしまっていた。
全ては何にも変わらないのに、大きな何かがたらない。
先生…
会いたい。
「柚奈っ?!」
誰かが私を呼んだ。
私は急いで涙を拭いた。
いつまでも泣いていられない事ぐらい、私にも分かっていた。
「美貴…。おはよ。」
「おはよ、じゃないよ。
学校来るなら言ってよ。迎えに行くのに…。」
「いいよ。私はもう大丈夫だから。ありがとう。」
「…柚奈。」
学校も何にも変わらなかった。
変わったのは、先生がいなくなった事。
いつもの教室にいつもと同じように美貴と入る。
いつもと同じように……………………?
ん?
いつもと同じじゃない事が一つだけ。
クラスのみんなが私を一斉にみている。
あ、1ヶ月も休んでたら当たり前か。
「柚奈大丈夫っ?」
「津月、元気出せっ!」
「津月さん、人生は七転び八起きだっ!」
