レンズ越しの君へ

「えっ……!?何……?」


驚くあたしを余所に、両隣にいる廉と嵐は笑みを浮かべている。


父が謝っている理由が全くわからないあたしとは違って、廉と嵐は全てを知っているみたい。


二人はあたしを挟み、顔を見合わせて笑っていた。


「ごめんね、澪……」


母にまで謝られて、益々困惑してしまった。


両親が、何に対して謝っているのか…。


廉と嵐が、どうして笑っているのか…。


いくら考えても、ちっともわからない。


「廉……。これは……何……?」


縋るように廉を見ると、彼はあたしの頭を優しく撫でた。


「廉さんのお陰だからな!」


笑顔でそう言った嵐が、今までの事を話してくれた。