レンズ越しの君へ

お風呂から上がったあたし達は、ベッドルームに入ってベッドに腰掛けた。


「澪、風邪ひくぞ……」


中々髪を乾かさないあたしに、廉が眉をしかめている。


「じゃあ、廉が乾かして?」


「お前なぁ……」


廉は呆れた表情で言いながらも、ドライヤーを手にした。


それからベッドに座ったまま、あたしの髪を乾かし始めた。


「廉って、何だかんだ言っても、結局は優しいよね♪」


「俺の優しさは、お前限定だよ……」


廉の言葉で、あたしの顔が緩んでいく。


「はい、終わったぞ」


「ありがと♪」


「別にイイよ。お礼は体で払って貰うからな」


廉はあたしの耳元で囁くと、意地悪な表情で笑った。