レンズ越しの君へ

体も洗った廉は、湯舟に浸かってあたしを後ろから抱き締めた。


「澪の髪、イイ匂い……」


あたしのうなじにキスをした彼が、囁くように言った。


「フフッ……」


「その笑い方、何かエロい……」


「え〜っ!?」


眉を寄せて振り返ると、廉はすごく意地悪な笑みを浮かべていた。


「今度は、俺がお前を気持ち良くしてやろうか?」


「もう……」


耳元で囁かれた言葉に膨れっ面をすると、廉があたしをギュッと抱き締めた。


「今夜は、可愛がってやるよ……」


意味深な笑みを見せた彼が、あたしの首筋に唇を寄せた。


「覚悟しとけよ?」


そして、廉は悪戯な笑みを浮かべた後、あたしの頬にもキスをした。