レンズ越しの君へ

結局、廉が帰って来たのは、あたしが帰宅してから2時間以上も経ってからの事だった。


「おかえり♪」


「ただいま」


あたしは、帰宅した廉と一緒にベッドルームに入った。


「ねぇ、どこに行ってたの?」


「別に……。それより飯は?」


「もう出来てるけど……」


明らかにはぐらかした廉に答えると、彼はあたしの頭をポンポンと叩いてからリビングに向かった。


まだ訊きたい。


だけど…


あまりしつこく尋ねると、廉はきっと怒ってしまう。


「澪、ビールもくれよ」


「はぁい……」


あたしはため息を落として渋々諦め、廉にビールを出して一緒に夕食を食べ始めた。