レンズ越しの君へ

「お疲れ様でした!」


「お疲れ様です」


「ありがとうございました!」


撮影が終わったスタジオでは、スタッフ達が慌ただしく片付けをしていた。


あたしも廉と一緒にカメラを片付けていると、不意に後ろから肩をトントンと叩かれた。


「澪♪」


「あっ、えっと……お疲れ様です……」


振り返ったあたしは、満面に笑みを浮かべた一輝に頭を下げた。


「澪もお疲れ♪」


一輝はそう言うと、廉にも笑顔を向けた。


「Shikiさんもお疲れ様!」


「お疲れ様でした」


廉はカメラを片付けながら、無愛想に答えた。


一輝はそんな廉を嘲笑うような表情で見た後、あたしにまた笑顔を向けた。