レンズ越しの君へ

「澪が元気ない時は、99%廉さんが原因だからね!」


「えーっ!!何それ!?ってゆーか、残りの1%は何よ?」


図星だったあたしは、大袈裟に笑っておどけて見せたけど…


「当たりでしょ?」


綾は質問には答えず、呆れたように笑みを零した。


やっぱり、彼女に隠し事は出来ないみたい。


「ごめん……」


「何謝ってるの?」


「わかんないけど……。心配掛けちゃったし……」


小さな声で呟いたあたしの言葉は、すぐに周りのざわめきに掻き消された。


「澪!」


窘めるような声に、俯きがちだった顔を上げる。


「謝るなら、あたしじゃなくて廉さんに謝りなさいっ!!」


綾にきつく言い放たれて、体がビクッと強張った。


いつになく厳しい表情をしている彼女の声が、少しだけ怒っていたから…。