薄暗い廊下を歩いていくアリス。
「変ね、火が消えてるわ」
先程通った時はついていた火が、今は消えている。
首を傾げたアリスは、大して気にする事なく進んでいく。
ヒュッ――
「ッ!何・・・!?」
頬を鋭い物が掠めた。
驚き足をとめ辺りを見渡すと、ある一点でアリスは視線をとめた。
パチンッ――
ガシャンッ!
「・・・鎌鼬?」
近付き見てみると檻に入っているのは鎌鼬。
瞳は真っ赤な血のような色をしており、今にも攻撃してきそうな勢いだ。
「早速仕掛けてきたってわけね」
スッとアリスは鎌鼬に向かって手を翳した。
すると鎌鼬は檻の中でぱたりと倒れ眠った。
「ああいうのは言っても聞かないものね」
檻を抱え上げまた自室へと向かうアリス。
ガチャッ・・・
「あら、このこ部屋まで荒らしたのね」
アリスが部屋へと入ると、中は悲惨な状態に。
本棚からは本がおちており、カーテンは破れベットの布も破りさられていた。
壁と床にはいくつもの傷が。
「全く、嫌な奴ね・・・」
パチンッ――
アリスが指を鳴らせば部屋は何事もなかったかのように綺麗になっていた。
「さて、このこはどうしようかしら・・・」
檻の中で眠っている鎌鼬。
「・・・あ、」
暫くじっと見ていたアリスだったがぱっと顔をあげた。



