ガチャ…
俺たちは、結局ラブホに入ってきてしまった。
「凪……さっきのは、別れようってこと?」
沙帆は、ベッドに座り俺を見上げてくる。
「……」
まだ好きだから、はっきりと“別れよう”そう言えない。
「あたしのこと、嫌いになったの?」
「そんなわけないだろ!!」
俺は思わず、大声を出してしまった。
「……それは、おまえの方じゃねぇの?」
「なにそれ…」
「最近ずっと、なんか冷てぇし…今日とか、女だけっつってたのに男いるし……。俺だけ好きなのかなって…」
涙があふれてくる。
沙帆の前なのに…
だせぇなあ、俺。
「……不安だったの?」
「……っうん。」
沙帆よりずっと大人なのに、沙帆といると俺は甘えん坊の子供みたいだ。
「好きなんだ…沙帆が他のヤツを好きでも、俺はおまえが好きなんだよ!!」
諦めるなんて出来ねぇ。
他のヤツに沙帆を幸せにしてもらうなんて出来ねぇ。
俺のこの手で、沙帆を幸せにしてやりたいんだ。
「好きなんだよ……どうしようもなく。」
.

